尿漏れは、自分の意志とは関係なく尿が漏れてしまう症状のこと。
現代では、40代以上の女性の3分の1が尿漏れの経験があるといわれています。
今回は、女性の尿漏れがなぜ起きるのか、女性の尿漏れ4タイプ別にその原因をご紹介していきます。
なぜ漏れる?女性の尿漏れ4タイプ
女性の尿漏れには大きく4つのタイプがあります。
- 腹圧性尿失禁
- 切迫性尿失禁
- 溢流(いつりゅう)性尿失禁
- 機能性尿失禁
女性の尿漏れタイプ①腹圧性尿失禁
「腹圧性尿失禁」は女性の尿漏れの悩みで一番多いといわれています。
週に1回以上経験したことのある女性は、実に500万人以上ともいわれています。
この腹圧性の尿漏れの多くは、「骨盤底筋」のゆるみに原因があります。
骨盤底筋は、骨盤の底に連なる、9つの筋肉が3層になって集まった筋肉群のこと。
尿意を我慢したり、おならを我慢したりするときに力をいれますよね?
その時にはたらいているのが、骨盤底筋です。
骨盤底筋がゆるんでいるときに「腹圧(お腹に力を入れること)」が加わると、尿が漏れやすくなります。
骨盤底筋がゆるんでいるときに、お腹に力をいれると尿を我慢しきれず漏れてしまうのです。
腹圧がかかる場面というと、例えばこんなシーンが考えられます。
- 重い荷物を持ち上げるとき
- 走るとき
- ジャンプをするとき
- 咳やくしゃみをするとき
- 排泄しようといきむとき
このような場面で尿漏れする場合は、腹圧性尿失禁である可能性が高いといえます。
骨盤底筋がゆるむ原因
骨盤底筋がゆるむ主な原因は以下のとおりです。
- 妊娠・出産
- 加齢
- 肥満気味
- 過重労働
- 排泄時のいきみ
- 喘息
- ストレス
こうしたきっかけで骨盤底筋がゆるむ可能性があります。
肥満気味であったり、ストレスがかかっていても骨盤底筋に影響があるので、10代や20代でも腹圧性の尿漏れに悩む可能性は十分にあります。
骨盤底筋についてはこちらの記事で詳しくご紹介しています。
女性の尿漏れタイプ②切迫性尿失禁
「切迫性尿失禁」は、トイレが近くなったり、急に尿意を感じたり、我慢しきれなかったりして、尿漏れしてしまうタイプです。
切迫性尿失禁は、原因不明の場合がほどんど。
膀胱の伸縮のコントロールがうまくいかず、尿意をもよおしたり、尿漏れしたりします。
切迫性尿失禁は、長時間の乗り物乗車や、すぐにお手洗いに行けないようなお出かけなどの時にはストレスになります。
女性の尿漏れタイプ③溢流性(いつりゅうせい)尿失禁
「溢流性尿失禁」の特徴は、
- 尿を出したいのにうまく排尿できない
- 尿が少しずつ漏れてしまう
溢流性尿失禁は、排尿障害が前提にあります。
排尿障害はその名の通り、尿が出にくくなる障害。
排尿障害があるためにたまった尿が漏れるのが、溢流性尿失禁です。
女性の尿漏れタイプ④機能性尿失禁
機能性尿失禁は、膀胱や骨盤底筋をふくむ排尿機能ではなく、運動機能や精神機能に問題があるときにおきる尿漏れです。
身体の不自由でお手洗いに行けない場合や、認知症のためにトイレで排尿できない場合、お手洗いの場所が分からない場合に起きる尿漏れです。
なぜ女性は尿漏れしやすいのか
女性は男性よりも尿漏れしやすいといわれています。
それにはこんな理由があります。
女性が尿漏れしやすい理由1.骨盤底筋がゆるみやすい
腹圧性尿失禁のところでも述べましたが、骨盤底筋がゆるんでいるときに腹圧がかかると尿漏れすることがあります。
女性の骨盤底筋がゆるむきっかけで大きいのが、妊娠・出産。
妊娠・出産を経ると、骨盤が開きますし、骨盤底筋に負担がかかり、ゆるみやすくなります。
女性ホルモンのバランスも筋力に関係するので、そうした変化でも骨盤底筋に影響があります。
女性が尿漏れしやすい理由2.尿道の構造
男性と比べて女性のほうが尿漏れしやすい理由のひとつに、身体の構造のちがいがあります。
男性の尿道は、S字にカーブしていて、女性のそれよりも長くなっています。
一方で女性の尿道は、直線的で短いのが特徴です。
ですので、骨盤底筋がゆるんでいるときにお腹に力が入っただけで尿漏れしやすかったりするのです。
女性の尿漏れはなかなか相談できない人が多い
尿漏れに悩む女性は少なくないのですが、恥ずかしくてなかなか相談できないという人がけっこう多いのも実情です。
尿漏れや頻繁な尿意にお悩みの際は、ご自身でどうにか対策を調べてみるのもいいですが、医療機関に相談してみるのもひとつの手です。
尿漏れが気になって思うように活動できないのは、ストレスになりかねません。
尿漏れが気になるようでしたら、専門家に頼ってみましょう。